ポスト

玄関の前には、深い緑色のジャケットを着た何か憑き物が落ちた様な柔和な表情を浮かべた免色が立っていた。免色に寄り添うように、その少し後ろで笙子の会釈する姿があった。バブアーのオイルジャケットの僅かな匂いと、新築の木の匂いが鼻を掠めた。 「お久しぶりです」 と、免色は右手を差し出した。

メニューを開く
Kyiv Kalashnikov@kiyuu_channel

「先生!」 「まりえさん?」 「そうよ、三年経って忘れたの」 「いや、大人っぽくなったね」 「さあ、来て」 「あ、ああ」 「すごいでしょ、この家」 「何も変わらない様に見えるよ」 「早く」 「うん」 「実はね、私の家にするの」 「えっ」 「免色さんは知ってるの?」 「冗談よ」 「さあ、早く」

Kyiv Kalashnikov@kiyuu_channel

人気ポスト

もっと見る
Yahoo!リアルタイム検索アプリ