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「急を言ってすみません」 私も右手を差し出した。 そう、免色の固く強い握手だった。 「いいえ、逆に嬉しくてたまりません。こんなに早く村上さんにお会い出来るなんて」 と、免色は言った。 「お久しぶりです。さあ、中に入って」 と、笙子が言った。 私は笙子に免色に言った同じ言葉を繰り返した。

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Kyiv Kalashnikov@kiyuu_channel

玄関の前には、深い緑色のジャケットを着た何か憑き物が落ちた様な柔和な表情を浮かべた免色が立っていた。免色に寄り添うように、その少し後ろで笙子の会釈する姿があった。バブアーのオイルジャケットの僅かな匂いと、新築の木の匂いが鼻を掠めた。 「お久しぶりです」 と、免色は右手を差し出した。

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