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高校の時の担任は英語教師で、生徒たちに侮ったあだ名で呼ばれている風采の上がらない小柄な人だった。秋田弁まじりの訛りの強い英語を話すのも哄笑の種になっていた。家に帰れば趣味で小説を書いているという噂で、どう見てもパッとしない中年のくたびれたオヤジだった。

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無明舎出版@mumyosha

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大学に入り、彼が芥川賞の候補に何度もあがっている作家で、「土俗と戦争」をテーマに、暗く重い田舎の物語を書いている作家であることを知った。その加藤富夫氏が生前残したただ一冊の本、『口髭と虱』(文藝春秋)を、半世紀たった今読んだ。

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