*懐刀*, 粉必回

きつい言葉を使うと、 原作自体が節子を救えない言い訳で、 むごい選択をしたものが生きるすべ、 死人に口なしのフィクションなんだけど、 そういう子どもの嘘に、 気付き、許し、 一緒に考える大人がいない不幸。 嘘がばれないって、見つけてもらえないかくれんぼ。清太は耐えれず話し始める。

物語に節子を救える人は出てこない。 正義なんて全体主義は生き残る強者の物で、 邪魔がなければ 彼らが節子を救えたというのはかいかぶりだ。 でも、安心してほしい。 命を譲ること全てが悲劇でもない。 命より大切なものができた時に、 思い出してほしい。 時代なんか関係ない。 その時頑張って

知能の劣るものは絶対的に○○が悪いって考えがちだけど作者はそんなことは言ってないんだよな 自分にあったことを創作を交えて描いただけでここからこういう教訓を得なさいなんて言ってないのに

高畑監督も空襲に遭って数日間さまよい歩いたけど誰も彼に食べ物どころか水一滴さえ恵んでくれる者はいなかったという話。実際にそういった経験されると予見されるのは当然かもしれません。

このとき「現代の青少年」と書かれた世代は、バブル就職し、下の世代を犠牲にして不況30年を乗り切り、いまや年功序列で高給なのに仕事しない、清太のような存在になりました。 犠牲となった下の世代は、氷河期・非正規のなか、おはじき舐めて生き延びてきました。 本当に恐ろしい時代になりました。

節子を救える人がいたとしたら、清太の弱さもおばさんの弱さも愛し、どちらにも全正義を委ねられない人だと思う。 人は、これが正しいと信じたときに、 最も強くも残酷にもなれると思う。 平和のために何かを攻撃する種類の議論にいつも混乱する。 もっと賢く強くなりたいといつも思う。

Xのような偏ったSNSでの皆の意見が「大勢」である、という錯覚をまず改めなければならない。

火垂るの墓　の原作には後日談がある。 本当は小説のように妹を大切にできず見送ってしまったという告白。 この火垂るの墓　自体が、 むごい選択を自分で行った者が「苦しくても」こうありたかったという夢物語である。それを後日告白してしまうことも含め、私は作者が嫌いになれない。

海外のリベラルに見せると、清太の弱さに怒る声が多いですけどね。 仕事を探せ、おばさんに頭を下げろ。 理屈に合わない無責任な行動だ。 極端なのだと、泥棒しろとか、おばさん家に火をつけろとかまであります。 様々な意見が多様性としてあって良いと思います。