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蜩殿、血と泥の大沼になろうという森を控えて鳴いている。蛭に悩まされて痛いのか、痒いのか。 ひとり飛騨山越の間道で、お経に節をつけて外道踊りをやったであろう。中略 紫陽花の色あざやかに蒼かった。 (貴僧あなたももうお休みなさいますか)(はい、ご厄介にあいなりまする)ゆっくりなさい。

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Tw i tter@kennenji2

しまいには皆血と泥の中に黒い山蛭が泳ぐ、それが代がわりの世界であろうと。 立樹の根の方から朽ちて山蛭になっていよう。  どの道死ぬるものなら一足でも前へ進んで、世間の者が夢にも知らぬ血と泥の大沼の片端でも見ておこうと、覚悟がきまった。かすれた月を拝んだのは、蛭の林の出口だった。

Tw i tter@kennenji2

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