ポスト
「どこから来たのかわからない」「誰が作ったのかもわからない」ような情報が失われたものについて物思いにふけっている、例えばドラゴンという概念、人と手を繋ぐということ、作者不詳の曲、骨董市で見つけた濡れて差出人も宛先もわからなくなった古い海外の手紙、とか。
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それらはまるで何かの痕跡だ。遡ることのできない本のページが開かれているように、ただ静かにそこにある。それらは人の中にも編み込まれていて、ひょっとすると本人すら忘れていて、二度と思い出せない記憶の中で誰かがくれた優しさが、また別の誰かに優しくする所作に滲んでいたり、する。