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ルポライターの主人公がクラス会で発砲事件を起こし射殺された恩師の真意に迫る長編ミステリ。あらすじにもあるセンセーショナルな序盤とは裏腹に恩師の長門が新美南吉の研究者でもあったことから南吉の史実を絡めつつ長門の過去を探っていくそれ以降の展開は地味ながら読ませるものがあるだろう。
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しかしながら本作が秀逸なのはそのまま素直に読んでいれば謎が解ける構成にはせず、むしろそれまでの展開を踏まえることで後に浮上する「ごんぎつねの夢」なるものの真偽がつかなくなるよう読者を巧みに誘導してみせた点にある。
