ポスト

護衛の対象であることと、親が雇い主であるから、相槌は打ってやるが、自分のことは話さなかった。どうせ碌な人生ではないのだから。 うるさいやつだが、早朝、昼、深夜には声が聞こえなくなった。 人の気配に聡い以は、部屋の気配を探って、障子向こうに人が居るかどうか探ることが出来るが、

メニューを開く

みんなのコメント

メニューを開く

居なくなっていないところを見ると、寝ているようだった。 寝ている時は、ホッとする。 時折、障子が小さくススッと開いて、甘味を差し出されることがあり、以はそれをありがたく頂戴していた。 悪い男ではないが、しつこく話し掛けられると煩わしかった。 しとしと雨が降った翌朝のことだ。

Yahoo!リアルタイム検索アプリ