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どれも大切な想いがあったのにあの夏の日、反転術式を会得したあの日にその全ての痕が消え去り真っさらになって帰ってきたので思わず喉がヒュッと鳴った五母。私の悟は死んだのね、と覚悟した。五条家当主、私の息子、あの子の生き方、守れなかった過去、小さな背中には大き過ぎる宿命、全部を見てきた

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はりざかな@幻覚の煮凝り@harizakana_2

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からこそ、『私の』悟は死んだのね。になった母。着替えの時に見た首元から胴までの大きな袈裟斬りの傷と額の刺し傷で更に血が引く。当主様おかえりなさい、と頭を下げた母に対し、ん、帰った。とだけ告げた五。その背中はもう当主に見合う大きさだった。

はりざかな@幻覚の煮凝り@harizakana_2

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