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「何も、ない?」 あれだけ愛し合ったのにひとつも痕がない。イサは震える肩を抱いてバスルームに蹲った。滲む視界に赤いものが入る。そっとそれに手を伸ばす。 この旅行の初めにスミが結ってくれたミサンガだ。彼は左足に結ぶのを拘って譲らなかった。まあ、いいかと好きにさせると

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高菜八木@bxi_10xx

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左足を壊れ物の様に手で優しく触れ、甲にキスを落とした。そして跪いた己の腿の上へ乗せると赤いミサンガを丁寧に結ぶ。その姿があまりにも幸せそうで、身体の芯が熱くなったのを覚えている。

高菜八木@bxi_10xx

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