ポスト
「何も、ない?」 あれだけ愛し合ったのにひとつも痕がない。イサは震える肩を抱いてバスルームに蹲った。滲む視界に赤いものが入る。そっとそれに手を伸ばす。 この旅行の初めにスミが結ってくれたミサンガだ。彼は左足に結ぶのを拘って譲らなかった。まあ、いいかと好きにさせると
メニューを開く「何も、ない?」 あれだけ愛し合ったのにひとつも痕がない。イサは震える肩を抱いてバスルームに蹲った。滲む視界に赤いものが入る。そっとそれに手を伸ばす。 この旅行の初めにスミが結ってくれたミサンガだ。彼は左足に結ぶのを拘って譲らなかった。まあ、いいかと好きにさせると
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