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◇  エトニアル大帝国の後宮。  午前中、いくつかある庭園の1つ。 「すごいわよね~、アイリスは~」  のんびりした声で、後宮妃ビアンカ・シーカが言った。 「まったくだよ。この短期間で天聖候補5位にまで登り詰めるとはね」

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みんなのコメント

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「そう言えば~」ビアンカが言う。「新しい聖女様の就任式が~来月ぐらいにあるとか~」 「らしいな」モルガーナが言う。「フルセンマークから連れて来た、ファリアスの血族らしい」

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「あたしの方が弱けりゃ負けるでしょ」  アイリスは肩を竦めてから、紅茶を飲んだ。  後宮の紅茶は本当に美味しい。帝国が友好的な国だったら、ずっとここで生活してもいいのになぁ、とアイリスは思った。

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「体術使いで、今はテクニック重視なのよね?」とアイリス。 「そうだ。彼のテクニックは何度体験しても不思議だ」モルガーナが言う。「歳を取ってから得た技術だそうだ。筋力の衰えをテクニックでカバーしたのだと本人は言っていた」

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「今度は~? 2位のお爺さんと戦うんでしょ~?」 「おいおいビアンカ」モルガーナが苦笑い。「あのお方をお爺さん扱いしてはいけない」 「ええ~、でも御年70でしょう?」 「だが本当に強いぞ」

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「まぁね」  アイリスはふんす、と胸を張った。  試合形式の序列戦が、アイリスにはとっても楽しい。命を張らなくていい純粋な試し合いに、アイリスは活き活きとしていた。

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同じく後宮妃のモルガーナ・サンマレッリがやれやれと肩を竦める。  3人はお茶会の最中である。ここでは毎日のように、誰かがどこかでお茶会をしている。

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