ポスト
54 「いかがです?…旦那様…」 もうすでに妻になった気分だ。 「…セルゲ…イだ…」 女に名を明かすことは今までになかった。それまでは女に心を開かなかった彼の人生を表す。 「セルゲイ…さん」 照れくさそうに初めて名を呼んだ。 「あぁ…ドラグノフはお前の名字になる…」 頬が紅に染まる。
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55 しかしチヒロという女はふと不安がよぎった。 こんな私でも本当にいいのか…と。彼は本気なのかと…。 彼女の前にドラグノフは女を食い散らかしてきた卑しい雄として生きてきた。 彼の本心が知りたい…。 「あのね…」 「どうした?」 「聞きたいことがあるんです、怒らないでもらえますか?」