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涙を流して抱き合う王様と奴隷。すると枯れていた草花は咲き乱れ、恵みの雨が降った。疫病などまるでなかったかのように国民は元気を取り戻し、季節外れの麦穂が畑を揺らした。 城中の人間が奴隷はただの奴隷ではないと理解した。それと同時に真実二人が愛し合ってる事も。
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それから数十年経った。 甥に冠を譲り、退位した王様は静かな土地で奴隷と二人で幸せに暮していた。穏やかで優しい日々は、奴隷をいつも笑顔にさせていた。 そんな奴隷が最後に涙を流した。王様が亡くなったのだ。国中を悲しみの雨に濡したが、その雨は川となり国を豊かにした。