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メモ 訃報を聞いて、ふと風に靡いた髪を思い出した。焼け焦げた匂いは腥い黄色によく似ている。不快ではなかった、けれど疎ましくはあった。 ゆらゆらと揺れる、似ても似つかぬ黄色に焼かれる様な熱の呼気は蝉の声の様に深くに入り込みはしなかった。 土塊か、灰かなぞは些事だ。
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赤色か黄色かなぞもどうでも良いことだ。 焦がされる肌が一向に煤けぬことだけが重要で、 乾いた心身がいっそ忌々しいほど目についた。 真っ黒い衣装に白いハンケチーフ。 肌を滑るだけの生命活動の先で、冷えた目元が人との間を映し出した。黄色い差し色のないハンケチーフを懐に仕舞い込む。