ポスト
足早に後を追いながらスマホを取り出して電話をかけると、会社の先輩に繋がってしまった。後ろから社長の声がする。休日出勤なんて大変だと思いながら間違い電話である旨伝えて謝罪し、電話を切る。 今日はやらかしてばかりだと若干凹む。
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そうしている間にも私は人寂しい道を進み、工事現場の奥の電気屋のような建物を見上げながら再度電話をかけようとする。 今度は電話番号がわからない。数年電話をかけていなかったから。ここだけ急に現実に戻るな。 結局私は電話をかけられないまま呆然と立ち尽くす。
