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ううん、小便行ってきただけよ。さらりと放り出した嘘を、聡みは「そうですか」と簡単に受け取った。跳ねた前髪に更に寝癖を付けるみたいに、二の腕と胸板のあいまに無理矢理自分の頭をねじ込んでくる挙動に思わずフッと笑みが漏れる。 ほら、まだ眠いんやろ、早よ布団入って寝なさい。
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明日も聡みくん、お勉強しに学校やん。 ベランダに突き出していた腕も彼にまわして、まるまった背中を優しくたたく。とんとん、ぽん、撫でて、撫でて、とんとん、ぽん。 「……キッショいリズムやな」 ふだんよりもふやけた声で罵倒され、はんぶん眠っているはずの聡みの強さに嬉しくなってしまう。
