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静かな病室に響き渡る鼻の啜る音に罪悪感を覚え、何か話そうとするが何も思い浮かばない。 こういう時に、相手が安心する言葉の一つでもかけられれば良いのだが、生憎そんな繊細さなど俺は持ち合わせていなく、ただ、斉木が泣き止むのを待った。

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しばらくすると落ち着いた斉木は、何とも言えない顔で俺を見つめる。 この顔は、心配や不安、怒りがあるときによく見せる表情だった。 「ごめんな、斉木」 『何に対してだ』 「え?あー…おやつ食べちまったこと」 『…他は?』 「えっと…心配させたこと?」 『ほか』 「…泣かせちまったこと」

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