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「kidくんのせいで、死ねなくなっちゃった」 目の前の先輩はそう言った。少し大きめのベッドで、腕に点滴をつけて、包帯を巻いた状態で。 「…mcさん、もともと死なないじゃん」 くすりとわらって、それはそう、と返された。笑い事じゃない、そう思った。そもそも彼がこんな状態になっているのは、

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信号無視した車に轢かれそうになった女の子を身を挺して庇ったから。伸ばした手は空を切って、無を掴んだ。あの時のことを、今も鮮明に覚えている。駆け寄って触れた体は真っ赤に染まっていて、ひどく冷たくて。視界が滲んで、彼の顔を濡らしていた。あれから3日経つけれど、同じ場面を見続けている。

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