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いつもの日本酒とは全く違う。ベタつかず、甘さが残らず、香りも喉越しも違う。「何ですかこのお酒は?」と先輩に聞いた。 「こいつは俺が好きな酒だ『酔鯨』と言う。俺の故郷である高知の酒だ」 先輩は誇らしげに言う。いつもは本心を隠し会話を合わせる私がその時は素直に言った 「美味しいです」 →

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「そうか良かった。俺の好物を覚えておいてくれよ」先輩はそう言って笑った。 私のグラスはあっさり空になった。初めて本心から「二杯目を頂けますか」と伝えた。 「呑め呑め」と先輩が一升瓶から注いでくれた。 酒に弱い私は2杯でしたたかに酔った。生まれて初めて「美味い酒で酔った」夜だった。 終

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