ポスト
永井均による川上未映子『夏物語』評は反出生主義についての解説に留まっていて、性嫌悪というもう1つの主題は無視してるし、緑子が読んでいたクリプキの著作が『名指しと必然性』なのか『パラドックス』なのかという最重要の問題も手付かずのままで、かつての『ヘヴン』評が完璧なだけにがっかりした
メニューを開くみんなのコメント
メニューを開く
安易なカタルシスに訴えて問題を不当にも誤魔化してしまった『乳と卵』をもう一度やり直すために、控えめな語り手に留まっていた夏子を「乳も卵も拒絶したまま大人になってしまった緑子」として深化させることで問題を内在的に発展させるという『夏物語』の基本線すらほとんどの読者は把握できてない