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第二十二回 「星見る豚とシンフォニー」 豚の光る夜だった。 豚舎から放たれたその夜は、草地の上で銘々散り散り。各々鼻を上向きにして、暗天に浮かぶ星を見つめた。それぞれが、てんでバラバラ。好みの星に向いていた。鼻面を向けている星は、その豚のふるさとの星であるという。

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連載・幻想小説@aomi3santo

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どの豚も分厚い体内に光源を隠しているかの如く、星の瞬きと呼応して蛍のようにほんのり、ふんわり、薄緑色に灯っていた。もしも街の人が見たならば星との交信と見ただろう。もしくは豚は地球をモニタリングする生体端末で、地球外の知的存在に情報をリークしていると未知の危険を怖れたかもしれない。

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