ポスト
すきだよ。 思い切って、でも小さく。これだけじゃストレートすぎて照れくさくて、「ちゃんと」と付け足した。言葉じゃ言えないこと、どうも私は紙の上だと随分大胆なロマンチストになってしまうらしい。かあっと頬が熱くなって、そそくさとそれを消す。なんでもない！と走り書きして、そのまま読書に
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戻ろうとした私の手を、ｺｳｼが掴んだ。 「あのさ」 小さな声だったと思うけど、静かな図書館にはやけに響いた。周りの利用客の視線が少し、こちらに向く。私の手首を掴んだまま、ｺｳｼは立ち上がって、ロビーまで私を連れ出す。階段の横、自販機の前。ここならいくらか外の音も入って、うるさくし
