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弟さんや娘さんのエッセイ、後藤本を出した編集者のほか、そうした物故した参加者の文章も収められており、会の長年の活動の一つの記念碑と言うべき一冊だろう。会員が九州は後藤の母校への訪問で見つけた初期詩篇の収録と解説などもたいへん貴重な業績と言える。
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ただ、収録した文章の多彩さに比して論じる対象作品に偏りがある。各論考は精緻に掘り下げて面白いけれども、その分まとまって論じられているのが初期短篇と『夢かたり』、『挾み撃ち』に留まっていて、80年代以降の作品がない。また全体像をフォローできる概説があればと思う。