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間違いなく名作だが読まれてない織田信長小説に梓澤要『夏草ヶ原』に収録の「伊吹」がある。ひょんなことから鷹の子を一時的に買うことになった信長とそれを見守る蘭丸の話だ。後年の織田信長を描くには森蘭丸を合わせておけは良いだろ、という雑な組み合わせで描かれることも多いこの二人を、本作は
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鷹の子を真ん中に挟むことで蘭丸がこの複雑な主君の人間に出会っていくという緻密な物語に仕立てていて素晴らしい。織田信長が可愛いのは当然である。鷹の子と一緒に布団に入る！と駄々を捏ねる信長が言うことを聞かないので「そうやって以前子兎と寝て、潰してしまったのをお忘れですか！」と叱ったら
