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5. イサミ、覚えておいて。 君が見上げる頭上にHeavenはあるって。 そして俺も忘れない。俺の上にも、君が見上げたのと同じHeavenがあるって。 「Ever look on Heaven's scenes,」 イサミがその歌に合わせて歌ってくれた。 歌、終わるな。終わるな……
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4 モンテズマの間から、トリポリの海岸まで 我らは祖国のために…… 歌い出した。 その祖国へ、俺の祖国へ、飛び立つまでの短い時間だけ。 遠くの雪の降る北国で 日のふりそそぐ南国で…… ぐす、とイサミが俺の肩の上で鼻を鳴らす。
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3. もう行かなくちゃ。 「イサミ、俺が唯一歌詞を見ないで全部歌える歌があるんだ。最後だから……最後まで聴いてくれる?」 俺は涙をこらえながらその空を見上げた。 「聴かせてくれ」 ああ、別れの瞬間まで君は優しい。 息を大きく吸った。 上擦る歌で、調子っぱずれの歌を。
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2. 「また会おうな。スミス」 彼の声が震えている。 でもお前だってこうしていたいだろ? 少しでも、長く。 俺は空を見上げた。今にも雪が降りそうな重たい銀色の雲が覆っている。 冷え切った指先が震えて。 少しでも温もりがほしいはずだ。お前だって。でも。