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「……っふぐ……」 押し殺しきれなかった吐息が唇の端から零れ落ちた時、ちょうど同じタイミングで店内にかかっていたジャズの音色が大きくなる。同時にそっと差し出されたのは、真っ白なハンカチ。二席離れたところで囁きあっていたカップルの声が聞こえないくらいの音量なのに、その時の

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ルナ@6/30原稿戦士@yume_delusion

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マスターの声は嫌にはっきりと聞こえたことまでしっかりと覚えている。 「……辛い時は、思いっきり泣いていいんです」 呆れも嘲りも何も無い、ただただ暖かい声だった。それに引き摺られるようにして、ぼろりと溢れた涙が咄嗟に受けとったハンカチに吸い取られていく。 その後はまあ、言わずもがな。

ルナ@6/30原稿戦士@yume_delusion

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