❹で国府の役人衆、大挙して押しかけ「今日こそは、（年貢の納め時とばかりに）租税を納めてもらいますよ。」と。すると、為盛曰はく「暑い最中、お努めご苦労様です。」と館に招き入れ、冷たいもの、塩辛いものを大量にご馳走。そうした処、役人衆皆胃腸を壊し這う這うの体で逃げ帰ったそうです。

❸ところで、国府としては、豪族からの租税が減る一方であり、看過できず。そこで、国司のうち大掾ないし目（さかん）クラスあたりと在庁官人一同、為盛の館に足繫く督促に向かいましたが、「そのうち・・」と話しにならず。

❷国司時代の役得なり、任期後の自墾地拡大なりで、荘園を拡大。で、例によって都の権門に田畑を寄進し、自らはその荘官となって富を雪だるま式に増やしつつ、権門には、せっせと荘園からの「上がり」を納付。

❶越前国府で、つまらぬことを思い出しました。（おそらく）国司（守、介、大掾など）として都から越前の国に赴任し任期を経過しても戻らずに、現地に土着した藤原為盛という吝嗇な豪族がいたそうです