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血が流れ込んで濁った視界に、悪鬼羅刹の姿を見る。病み上がりを言い訳にできないほどには善戦した。手を抜いたつもりも一切ない。だが、やはり、敵わなかった。「…とどめを、刺さないのか?」立ち尽くす男は、動かなかった。肯んじもしないが、否みもしない。ならば肯定ととるほかあるまい。

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みんなのコメント

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「二度も命を救われるとはな。…行けよ」どうせ、もう、追えはしない。この会話だって、覚えていられるかどうかすら、怪しいものだ。致命の深手こそ防ぎきったが、あまりに、血を流しすぎている。(結局、俺は…)塞がっていく視界の中で、鬼は、踵を返している。向かうのだ。本陣へ。(本陣…)本陣?

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