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「先輩は脱がねえの?きもちーよ!」 「ァ?…俺ァいいわ」 振り返った逆光の問い掛けに目を伏せて、ノリ悪いなぁなんて軽口にはいつものように。込み上げる不安、飲み込めない溜飲 「ね、あそこ行きたい防波堤」 指の示す先、まだ黒く翻る波を掬い込む堤の中腹あたり。座り込んだ布越しの薄らい冷たさ

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「靴濡れるよ?」 「…いい。どうせ乾く」 見上げた、朝を待つ空、白い残月。隣の後輩は変わらずご機嫌に素足を預けたまま。布地の濡れるさまを眺めては指を差して「ほらやっぱり」と愉しげに笑っている。

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