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安子は完ぺきな幸福も完全な善人もいないと知っているのに（雉真家とのやりとりはその象徴だったと思う）回想や空想の稔さんがあまりにも完ぺきな父であり夫であり、彼らは幸福な家庭で、そういう夢だけを残して理想の姿で存在し続ける稔さんがあまりに幸福のかたちをしているから胸がいっぱいになる…
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戦争によって聖人になってしまった父の姿しかるいは知らずに生きていくんだと思うと、やっぱり稔さんの人間の部分も全部ひっくるめて一緒に歩く人生の選択肢を奪っていった戦争って最悪だよ……と思う
