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住宅街を歩く男女が一組。  常に等間隔で空いた距離には居た堪れない気まずさが目に映るようだった。 「申し訳ございません」  先に沈黙を破ったのは彼女の方だった。 「貴方様を困らせるような意図はございませんでしたが、結果的に貴方様に不快な思いをさせた事、ただただお詫び申し上げます」

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罰印ペケ@batsu_peke

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「いや、カヲリの気持ちも考えなかった俺も悪いよ」  一旦足を止めて振り返る。  すると物心ついた時から許嫁と言い渡されていた少女もまた足を止める。 「滅相もございません。私は父上に許嫁の解消の件を粛々と申し伝えねばならなかったのに堪えきれず、はしたなく涙を溢してしまったのです」

罰印ペケ@batsu_peke

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