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其後三年の間、夜々(よなよな)会坂の盲が庵の辺に行て、其曲を、 「今や弾く。今や弾く」 と窃に立聞けれども、更に不弾りけるに、三年と云八月の十五日の夜、月少し上陰て、風少し打吹たりけるに、博雅、「哀れ、今夜は興有か。会坂の盲、今夜こそ流泉・啄木は弾らめ」と思て、会坂に行て立聞けるに、

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にゃんにゃる@nyannyaru3nya

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盲、琵琶を掻鳴して、物哀に思へる気色也。  博雅、此れを極て喜く思て聞く程に、盲、独り心を遣て詠じて云く、   あふさかのせきのあらしのはげしきに しゐてぞゐたるよをすごすとて 琵琶を鳴すに、博雅、これを聞て、涙を流して、哀れと思ふ事限無し。

にゃんにゃる@nyannyaru3nya

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