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どうやら彼は持って生まれた凡庸さと、半生の中で獲得した自我の薄さ、それに元高位貴族という人当たりの良さと狡猾さが良い具合に混ざり合い、人や集団に受け入れられやすいという特性があるようだった。波瀾万丈な人生経験も他者への共感力に優れていた。情報屋、スパイとしての適性があったのだ。

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スパイとは言っても次男が扱うのは他者を陥れるような情報ではなく、経営上の交渉材料だったり、結婚相手の身元調査のような平和なものばかりだった。 ある日次男の元に常連の紹介で一人の若者が現れた。その若者は平民を装っていたものの身なりも振る舞いも貴族そのもので少し身構えたが、

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