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「走って痩せろメロス」 メロスは後悔した。 たまには、運動をせねばならぬと決意した。 メロスにはスポーツがわからぬ。 メロスは、インドアの中年男性である。 ビールを飲み、ポテチを食べながら暮して来た。 けれども、健康診断の結果に対しては、人一倍に敏感であった。 (続く)
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きょう未明メロスは家を出発し、野を越え山越え、十里離れたこのメディカルセンターにやって来た。 メロスには生命保険も、医療保険も無い。 勤めている会社の、社会保険に加入しているのみである。 この会社は、近々、年一度の定期健康診断を実施する事になっていた。 尿検査も間近かなのである。
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「ならば、よろしい。この病院にセリヌンティウスという患者が入院している。私の無二の友人だ。そいつのレントゲンを代わりに」 「できるかァ!!!!」 医師はついに激怒した。 メロスは、ひどく赤面した。 【完】
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「呆れた医者だ。生かして置けぬ」 メロスは単純な男であった。 検査着を着たまま、のそのそ診察室に入って行った。たちまち彼は、巡邏の警備員に捕縛された。 調べられて、メロスの懐中からはチー鱈とワンカップ大関が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。