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聞く耳を持たない。それでも、青年は毎日やって来る。なぜなら、蜜柑に一目惚れしてしまったから。とうとう根負けした蜜柑が、ある日ポツリと漏らす。「檸檬と違って、ちゃんと句読点で息つぎするし、読み間違えもない。お前の朗読は聴きやすい」青年は蜜柑の役に立てていることを喜ぶ。

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「檸檬は、俺がこんなになる前は、まともに本を読んだことがないんだ」蜜柑が白い歯を見せ笑う。「あいつの朗読は、一生懸命なところがとても良い」青年は、自分の想いが叶わないことを知る。数日経った頃、蜜柑は青年について檸檬に訊く。「あれ?あいつ、お前には話さなかったのか?

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