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「…驚いた、100億! ハハハッ!こんな金額を、こんな青臭い地下で耳にする日が来ようとは、これはまさに彼が傾国の美女ということ…おっと、失敬。 ま・だ、オトコでしたネ」 ゲラゲラと下品な笑いが起きた。 会場の欲と酔いを回した粋なコメディアンを、スポットライトで濃くなる髪の影から見る。
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両膝をついたままで体を起こして見ても、視界は白いまま。 スポットライトのレースは、客の顔がこちらからは見えないようにする策略だと察した。 使えない目を細め、小首を傾げ、頬を伝わせた汗に、舌を這わせた。 舌を伸ばして絡め、ぬったりと唇まで潤わせ、パカッと無防備に開いた口内に仕舞う。