ポスト
緑皮電車の行き交うホームで私を待っていたのは、見知らぬ「それらしい格好の」若者だった。黙って後について行くと、彼は曲がりくねった路地に入り込んで行く。そしてブロック塀の向こうには懐かしい乗工社のショールームがあった。
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若者は階段の下に立って嬉しそうに手招きする。二階からは冷房のスンとした匂いが下りて来る。あの冷たいガラスケースには、同社がまだ元気だった頃の製品が宝物のように陳列されていようし、お客様の作品もまた多数展示されているのだろう。早く見たい、階段を上がるのがもどかしかった。