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「全く、こんなに濡れちまったじゃないか!」 「わ…、待ってシフ、これくらい平気だってば」 「ダメだ。濡れたのを放っておくと死んじまう。しっかり乾かしてあったかくしな」 シフはアルベルトの濡れた髪をわしわしとマントで掻いた。金の癖毛から水滴が撥ねてシフの顔を濡らしたが、構わなかった。
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アルベルトの顔はシフのマントでぐるぐる巻きになっていた。その中でじわり、涙が滲む。 (どうしてこの人は、こんなにあたたかいのだろう) シフはまだアルベルトの頭を拭いている。そのシフの腕の中へ、アルベルトはマントに埋もれた頭をもたれさせた。 「…坊や」 シフはその重みをそっと抱きしめた。