知り合いのベルリン・フィルのコントラバス奏者、彼のそのプライングの様な絶妙なタイミングは本当に素晴らしいです。一緒に弾いていて、一瞬先に響きの土台を築いてくれる、もしくは赤絨毯をひいてくれる！かの様な感じです。コントラバスより絶対先に出るな！こう言う奏者がいるとよく理解できます。

98年長野五輪開会式の夜に行われた第９の演奏会。最初から最後までコントラバスの音がクリアに聴こえたので舞台を見たらベルリンフィルのツェッペリッツがいました。

カラヤンがよく言ってましたよね。 コントラバスを聴いてから出るつもりで・・・って。

フルトヴェングラー時代のベルリンフィルも、ゲデッケ（だったか）というコントラバス奏者が低い唸り声を発しながら弾く、そのタイミングを合図に全員が入るという話がありましたね。コントラバスは動作が大きく同時に動き出すと出音が遅れるので、逆に、という話の流れだったかと。

カラヤンが昭和29年に初めてN響さんにやってきて「合わせるな！」と言った、という話を思い出しました。「もっと低音を引き出してやる」と息巻いていたとか。

コントラバスのゴリゴリの生音がオケの中で呻っていると、こちらも燃えます！

そういえば学生の頃、知り合いのコントラバス奏者の方が、「なあ〇〇、コントラバスはなあ、指揮棒が振り下ろされた瞬間に音を出すのが極意だよ」と言われていたことを思い出しました。