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一方、『字鏡集』系統諸本では「聱」に「ミミシヒ」と「キカズ」が当てられているものの、「聾」には「ミミシヒ」のみが当てられている。つまり、天文本『字鏡抄』が成立した段階では、「ミミシヒ」と「キカズ」の緩やかな概念的区分が生じていることが窺われる。

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実際「聱」は《聞こえない》という概念の他に、《人の話を聞かない》という概念が含むようになっている。中世日本にみる話し言葉では「ミミシヒ」と「キカズ」の緩やかな分離が起きている傍ら、字書や韻書のような領域では文語と口語の併存による継承性が強調されることになったのかもしれない。

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