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「天下の澤蕪君もこうなればまるで形無しですな」 そう言うと、彼は真正面にどすんと座り込んでにこにこ、いやにやにやと藍曦臣を眺めた。 揶揄われていることは百も承知だが、それよりも普段は遠目でしか見ることのできぬ笑顔に胸が高鳴る。

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「ひどいなりでしょう?」 「ええ、率直に申しまして。けれど失礼を承知で言わせてもらいますと、私には今のあなたの方がよほど見目好く思えますよ」 それはそうなのだろうと思った。

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