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そして何もかも飲み込んでしまいそうな真っ黒な海を、 2人でただ静かに見つめていた。 ゆったりとした潮騒に、段々と心が落ち着いていくのが分かった。行儀良く体育座りをしたまま、膝に顎を乗せる。同じリズムで繰り返される波の音と、焚き火のはぜる音が心地良かった。
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彼も、いつの間にか同じ格好をしていた。新しい薪は近くに見当たらないので、もうこれで終わりなのだろう。隣に誰かがいる安心感が広がって、そっと目を閉じた。 優しく、身体を揺すられる。ゆっくりと目を開ければ呆れた顔をした彼と目が合った。 「ここで寝たら蚊にさされるよ」