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その後の乱痴気騒ぎに何ら関与する義務は持たない生物なのである。やがて屋敷の喧騒に掻き消された嵐は威力を亡くし、ただ頬を撫でるだけの無力な風となった。カーテンコールすら開かれない劇はこれにて終幕。エキストラからスターへと駆け上がった男は再び背景美術へと身を翻した。探偵は探偵の役を
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降り、そこには世間から身を隠す低俗で下劣な逃亡犯が息を潜めるのみである。「はは」逃亡犯は嗤う。「まあ、少しは楽しめました」気のない拍手をひとつ。「何とも愚かな無辜の市民。何とも無能な犯罪者」そしてああ、と歯噛みした逃亡犯はくたびれたフードを深く被り直す。「ああ、ああ」嵐の止んだ