そばよりうどんの方が好きだ。 うどんのあの炭水化物の塊のような、あの魅惑的な姿が好きだ。炭水化物っていいもの。炭水化物はあるだけあればいい。そう思ってた時代がありました。 肉とかタンパク質かなと、古今の運動ブームに乗っかってそう思ってもみたけど、でもやっぱりおいしいうどんが食べたい

この真っ白な島には　何をもってきても構いませんよ まんまるな月を眺めていても きつね色の毛布でお昼寝しても さくさくのハンモックをふやふやにしても え？海を全部黄色い温泉に？　それは素晴らしい あなたは　何をもってきますか

「ちゅるりとした口当たり。もっちりした歯触り。ふわりと広がるお出汁の味わい。空かさず引き締めて飽きさせない薬味の香りに歯応え。そして適度に寂しさを残す弁えた喉越しは『もう一口』と唆す」 「いいなそれ。食べに行くか、ラーメン！」 「そっちかー」 「ん、パスタだったか？」 「そっちかぁ」

「この無能が」 家に帰っても上司の罵倒が脳裏から離れない。 呆然としていたら鍋が噴き、俺は慌てて火を止めた。 伸びきったうどん。 力なく啜る。 ふと以前もこんなうどんを食べた事がある気がした。 確か受験の夜食で。 「消化に良いように柔めにしたから」 母の声を思い出して、不意に涙が溢れた

うどんと言ったらごぼ天うどん。 ここではコシのない柔らかい麺が好まれている。 昼時にはラーメンよりもうどん。 「うどんはみんな好いとーよ。週2くらい食べるけんね！」 そう話す地元のサラリーマン。 うどん発祥の地らしくこだわりがあるようだ。 さて、明日の昼はごぼ天うどんを食べるかな。

山梨県富士吉田市。 5万人弱の人口に対し、うどん屋が47軒。 尋常ではない。 コシの強く太い麺に、鰹節のきいたダシ。 好みで肉やかき揚げなどを乗せ、胡麻や山椒の入ったすりだねを入れれば途端に刺激的な味になる。 吉田のうどん。人を選ぶが常識が変わる。 一度だけではとても味わいきれない。

とある地方集会に参加者した日の事、うどんのチェーン店を教えて下さいと聞こえてきた。どこにどんなお店があるか詳しいようだった。 なんだかうどんが食べたくなってきた。今日はもう食べたから明日の昼にでも食べに行こうかな。それとも自分で作ろうか？あえてのカップ麺でも良いかもしれない。

昼休みに手軽に食べたくて目についた飯屋に入った。 注文してスマホを見ていれば直ぐにうどんが出てくる。 まずは鰹と醤油の匂いが鼻を刺激し、次に汁を吸って膨らんだ油揚げが目につく。 その下には艶がある白く太いうどんが沈み、濃いつゆによってどんぶりの底は見えない。 それでは、いただきます。

その日は夏らしからぬ冷たい雨の夜だった 店にはいつも静かな大将と 傘も無くずぶ濡れのまま席に着いた僕 大将が何も言わずに一杯のうどんを置いてくれた 雨のせいだけじゃない 温かさに飢えていた僕は少しずつ涙を啜りだしていた その音は雨にかき消されていった

どうして私を選ぶの？あの子は色んな表情があって可愛いでしょ 偶に淡々としてて怖いんだよ。 どうして私を選ぶの？あの子はいつもそばにいてくれるでしょ 色白な子が好きなんだよ。 どうして私を選ぶの？あの子は私より細身で綺麗でしょ やっぱりイボがあるからなぁ。 俺は君のコシにぞっこんなんだ。