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俺、あんたがいない人生って、初めてなのか。 空が青い。棚引いていた煙の片鱗もなく、かわりに白雲がぷかぷかと浮いている。 火葬場の中から迎えにきた声に返事をし、案内された部屋の中、箸であんたを抱き上げる。 それから粛々と手順をこなし、家に帰り、まだ慣れない広いベッドで眠りについた。

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しも田@4modame

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昨日と同じ時間に目を覚ます。 視界が映したのは柔らかな輪郭ではなく、皺のないもう一つの枕だった。毎朝床に転がっているそれを拾い上げ、俺のと色違いのカバーを剥がし、一緒に洗面所へ向かう。これが俺のルーティンのひとつで。 力の抜けた、皺の増えた、ふくふくとまろい頬はもう見れない。

しも田@4modame

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