松本竣介氏は、東京や橫浜の気に入った風景を暗く静かな色調で繰り返し描きました。 運河風景は、この時期の彼が最も好んで取り上げた主題のひとつでした。 この作品は、東京の新橋近くのゴミ処理場とそこを流れる汐留川、1960年代に埋め立てられましたが、「蓬莱橋」の名は、
メニューを開く首都高速道路と昭和通りが交わる汐留の交差点名として、今も残っています。 作品を見たとき、おっも...と思ったのですが、私の生活圏の身近な場所の、今では感じる事の無い、戦争末期の重苦しい空気と社会の置かれた状況を、静かに語り始める様な作品で、その場で立ち竦んでしまいました。