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『キャスト・アウェイ』はエドガー・アラン・ポーの『盗まれた手紙』の有名な論争を想起させる。 本作は精神分析家ジャック・ラカンの「手紙は宛先に必ず届く」というテーゼに対し、「手紙は宛先に届かないこともある」と批判して「誤配」の可能性を説く哲学者ジャック・デリダに一見、依拠している。
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しかし、無人島で生きる希望の象徴とした郵便物は、開けることなく宛先に届けられる。 それはラカンが欲望の原因=「対象a」と呼んだ秘密の手紙。その手紙はスラヴォイ・ジジェクによれば、象徴的な他者に向けられることから必ず届く。 『キャスト・アウェイ』はラカン的ともデリダ的とも言える物語。