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少年誌の名前の書かれた名刺を彼から渡されたのは今でも印象深い出来事である。 「そもそも物件のアテがね……」 「貯金は?」 「あると思う?」 「愚問だった」 アシでいくらか稼いでいるとはいえ生活は決して豊かでは無い。その証拠に、今日の今日までアカアシが「ボロアパート」と称した

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あの建物に住んでいたのだ。車が通る度に床が揺れて、階段や柵の手すりには何度も塗り直されたペンキが剥がれ最早凶器と化したささくれがいくつもあり、古臭いタイルと今や見ることも少なくなったバランス釜のお風呂が設置された、築ウン十年のアパートに。ちなみにお家賃は都内では破格の

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