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しかし、この井上隆史氏の仕事はそんなまやかしを一掃するだろう。ただ井上氏の読みに最大の敬意を払いつつも、『万延元年のフットボール』を「全体小説」とするのは誉めすぎだと思う。確かに構築性は高いが、トマス・ピンチョンなどメガノベリストもよくやる「宙吊り」は小説としては逃げでしかない。…

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しかしこの井上隆史『大江健三郎論…

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