筆を折り、市井の生活者としてリアルに庶民生活を記した文豪永井荷風の日記は、真珠湾の半年前の昭和１６年６・１５、「今日以後余の思ふところは寸毫も憚り恐るる事なくこれを筆にして後世史家の資料に供すべし」 として、日本が世界大戦に暴走する端緒となった日中戦争の見事な分析からはじまった。

『断腸亭日乗』に記載され警鐘されているのですね。 1941年6月には「1941年6月には、ナチス・ドイツと同盟国によるソ連への侵攻（独ソ戦）が開始」とあり、 「独ソ戦は、不可侵条約の締結から２年も経たないうちに始まったことで、日ソ中立条約を結んでいた日本にとって立場を複雑なものとした」

「断腸亭日乗」1941年6月15日の日記ですね。ちょうど私も読んでいて、ページ探りました。国民の食糧不足、電気ガスの節制、贅沢どころか普通の生活を窮乏に追いやっていて、戦争を遂行するなど本当に馬鹿げた軍政に腹が立ってきます。荷風がもう一度今を生きれば憤死するに違いない。

永井荷風のこの言葉、最近声の大きい自称「愛国者」に聞かせてやりたいねぇ。“日本、凄い！世界で唯一2600年続く血筋を受け継ぐ君主を頂き云々”“縄文時代には、戦争がなかった”“特攻隊員の愛する人を守ろうとする勇気は云々”、、それは事実でしょう。「どこの国にも良い人もいれば悪い人もいる」が大事

永井荷風も述べていたのですね。「強きものに従ひ」という部分が心に刺さります。 先生が陰謀論に関して仰った事に対し私の所感の一端の再掲です。 「既に『論』の域を突出し実際に陰で事態は進行している。一方国民は如何に呑気な暮らしをばと、そればかり愚考するよう、様々仕掛けられています。」